現在、日本をはじめ、欧州などさまざまな国で、第三者機関による安全基準の適合性評価として衝突安全テストが実施されています。そのテストを実施するのは、自動車メーカー以外の政府機関などの公的機関です。日本の場合ですと運輸省が担当しています。
こうした公的機関などの第三者機関の厳しいチェックにより、クルマの衝突安全性が評価されているのです。
「ゾーンボディ」は、国内の前面衝突、側面衝突等認可を受けられるものについては認可取得を条件にしています。つまり、公的機関のチェックをクリアしていることが前提となります。
諸外国における衝突安全性能基準の制定状況
国名等 | 基 準 | 試験方法 |
米国 | 前面衝突基準(FMVSS 208) | 対リジッド・バリア、フルラップ衝突、速度30MPH(約48km/h)等 |
側面衝突基準(FMVSS 214) | ムービング・バリア衝突、速度33.5MPH(約54km/h) | |
オーストラリア | 前面衝突基準(ADR 69) | 対リジッド・バリア、フルラップ衝突、速度48km/h |
EU(ヨーロッパ連合)加盟国 | 前面衝突基準(1998年より導入予定) | 対デフォーマブル・バリア、オフセット衝突、速度56km/h |
側面衝突基準(1998年より導入予定) | ムービング・バリア衝突、速度50km/h | |
(参考)日本 | 前面衝突基準(道路運送車両の保安基準第18条) | 対リジッド・バリア、フルラップ衝突、速度50km/h |
側面衝突基準(道路運送車両の保安基準第18条、1998年より導入予定) | ムービング・バリア衝突、速度50km/h |
日産ではこの評価基準をクリアするため、各国の安全基準に加え、市場事故の分析結果による厳しい基準を独自に設定しました。そして正面(フルラップ)衝突、オフセット衝突をはじめ、斜め、側面、後面衝突などあらゆる方向からの衝突を想定した実験とコンピュータを駆使した衝突解析による性能評価を繰り返し行いました。
その結果「ゾーンボディ」は、世界最高水準の高強度安全ボディを実現し、国内の前面衝突基準はもちろん、1998年10月に導入される国内の側面衝突基準へいち早く適合させることがました。