これまで日産は「ゾーンボディ・コンセプト」という考え方に基づき、安全な車体開発に取り組んできました。
具体的にはグローバルな安全基準をクリアし世界トップレベルの安全性を実現してきました。その証拠に、97年7月に発表された EURO-NCAP[欧州衝突実験 Dセグメント(Mクラス)]においてプリメーラが2位という好成績をおさめました。これは「ゾーンボディ・コンセプト」による日産の安全に対する取り組みを評価するひとつの証だと思います。しかし、EURO-NCAPだけで満足している訳ではありません。日産では市場で起こる様々な事故に対して安全な車を造ることを目標に更なる努力を続けています。
順位 | 車種 | 前側突 総合評価 |
後退量 (mm) | 歩行者 保護 |
||
A ピラー | ステアリング (上昇値) | ブレーキペダル | ||||
1 | ボルボ S40 | ★★★★ | 48 | 59 (15D) | 164 | ★★ |
2 | 日産 プリメーラ | ★★★ | 58 | 80 (64) | 250 | ★★ |
2 | VW パサート | ★★★ | 68 | 85 (15) | 91 | ★★ |
4 | Vauxhall ベクトラ | ★★★ | 57 | 58 (82) | 134 | ★★ |
5 | フォード モンデオ | ★★★ | 70 | 97 (52) | 259 | ★★ |
5 | ルノー ラグナ | ★★★ | 145 | 94 (42D) | 200 | ★★ |
7 | アウディ A4 | ★★ | 104 | 71 (2) | 77 | ★★ |
7 | プジョー 406 | ★★ | 132 | 140 (59) | 181 | ★★ |
9 | メルセデス C180 | ★★ | 154 | 123 (49) | 270 | ★★ |
10 | サーブ 900 | ★★ | 221 | 167 (42) | 193 | ★★ |
11 | BMW 316i | ★★ | 測定不能 | 223 (14) | 321 | ★★ |
11 | ローバー 600 | ★★ | 215 | 166 (63D) | 334 | ★★ |
13 | シトロエン エグザンティア | ★★ | 216 | 145 (111) | 208 | ★ |
前突:64km/h (40Mph)ODB衝突、側突:50km/h (30Mph) 歩行者保護:40km/h (25Mph)で打撃(大人、子供ダミーのボディーパーツ) (D) は下方移動 |
(97年 EURO NCAP 小冊子より) |
インターネット・セーフティ・フォーラムのファーストセッションで「ゾーンボディ・コンセプト」について詳しく解説しました。「ゾーンボディ・コンセプト」は簡単に言うと、車体を2つのゾーン「クラッシャブルゾーン」と「セーフティゾーン」に分け、万一の場合の衝撃を 軽減すると同時に生存空間を確保して乗員を守る、というものです。この「ゾーンボディ・コンセプト」の中には“進化する”という考え方が含まれています。つまり、高い安全性を持つ理想の車体をつくるために、その内容はつねに向上していくということです。
「ゾーンボディ」という名称は、この「ゾーンボディ・コンセプト」が持っている“進化する”という考えを受け、発売時点で世界トップレベルの安全性を確保できる車体に与えられます。つまり97年時点では98年10月導入予定の日欧側面衝突基準に適合することを条件にしました。