【1-3: 70年に日産プレジデントに後輪2輪制御のアンチロック機構を搭載】
2つの後輪を制御するアンチロック装置の効果と課題は何だったのでしょうか。
後輪の回転数を検出して、同時にブレーキの効きを調節する。このケルシーヘイズ社の後輪用アンチロック機構というのは、路面がわりと荒れていても、真っ直ぐ止めることはできました。
この技術を発展させて日産では1971年にプレジデントに後輪2輪制御のアンチロックを搭載しました。これは当時最先端の技術でした。しかし、後輪2輪のアンチロック機構というのは前輪を制御していませんので、例えば旋回中ブレーキを踏んでも真っ直ぐ行こうとして、ハンドルが切れません。ですから障害物などがあった場合には避けられません。そこで前後輪を制御する4輪アンチロック機構の開発が行われたわけです。