【2-3: ブレーキをかけるとタイヤと地面の間に反作用が生じる、これが制動力】
スリップするというのは、どういうことですか。
制動時に発生するスリップの大きさを、私たちの間でスリップ率と言っています。
ブレーキを踏めば踏むほどスリップ率が増えてきて、制動力が出てきます。具体的にはブレーキを踏むと、これまで自由に回っていたタイヤを止めようとする力、制動トルクが出てきます。制動トルクが発生するとタイヤの回転速度が低下し、スリップ率が増えてきます。スリップ率が出てくるとそれに応じて、制動力が発生します。
これを作用・反作用の考え方で分かりやすく説明すると、今まで自由に回っていたタイヤにブレーキをかけて止めようとすると、その反作用でタイヤと地面の間にタイヤを回そうとする力が出てくる。もし反作用が無ければ、ブレーキ踏んだ瞬間に地面が回してくれませんからすぐロックしてしまうことになります。しかし実際には反作用が働くので簡単にはロックは起きないわけです。この反作用の力は路面状態で変わります。例えば氷の上では反作用が少ないのですぐロックするわけですね。
つまり止める力、すなわち制動トルクをかけると、それに応じて反作用としてタイヤと地面の間に力が生まれる。これが制動力です。