【1-5: 電子技術の発展とともに4輪ABSの開発が本格化する】
ということは電子技術の進歩がABSの開発に大きく関わっていたわけですね。
そうです。また2つめの問題として、当時の電子技術で4輪を制御しようとすると信頼性に問題がありました。
前述したように当時の後2輪の技術をそのまま4輪に採用しても期待したほどの性能が得られませんでしたので、そこで新たに研究を始め、非常に精度の良いABSを作り直しました。部品を買い求め設計したんですが、これをアナログのディスクリート回路で構成したため、プリント基板数が7枚、大きさが24インチのテレビくらいの規模となり時々故障が発生しました。
電子部品というのは部品数が多くて、熱を持つほど壊れやすくなります。コンピュータは部品数、素子が減ると飛躍的に故障率も減るようになるんです。
ですから、本格的な4輪ABSの開発はマイクロコンピュータ技術の発展とともに始まったんです。