サーキット写真

鈴鹿サーキット

2020年 10月24日(土) ~ 25(日)

参加者

  • 池田 昌明株式会社日産サティオ富山
  • 宮崎 守岐阜日産自動車株式会社
  • 中村 公輔愛知日産自動車株式会社
  • 鶴見 達弥日産プリンス名古屋販売株式会社
  • 鈴木 良尚三重日産自動車株式会社
  • 田中 洋佑日産プリンス三重販売株式会社
  • 三輪 真司滋賀日産自動車株式会社
  • 岡本 紘典京都日産自動車株式会社
  • 加本 裕之日産大阪販売株式会社
  • 池上 直希和歌山日産自動車株式会社
レース写真レース写真

予選

天気:晴れ 気温:18℃ 路面温度:24℃

念願の初優勝を果たした第5戦から3週間。日産メカニックチャレンジとしては2戦目となる第6戦は三重県の鈴鹿サーキットで行われた。
前戦に引き続きスタンド席の人数制限など新型コロナウイルス感染対策が施される中、ファンがサーキットに足を運んだ。KONDO Racing Teamへも販売会社や日産自動車大学校の学生が応援に駆けつけた。
前日の昼過ぎまで雨模様だった鈴鹿サーキットだが、予選当日はすっきりと秋晴れが広がるレース日和となった。

第5戦での優勝により100kgのウェイトハンディを載せることになる56号車。シーズン終盤のタイトル争いに向けてポイントを少しでも獲得すべく上位入賞を目指す。

午前の公式練習。56号車は藤波選手、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手が交代で乗り込み、マシンのセットアップを煮詰めていく。85分の走行の末、ウェイトハンディの影響もあり、トップから1.2秒差の1分58秒528、17番手に留まった。
午後2時、ノックアウト方式の公式予選Q1がスタートした。GT300クラスA組の56号車は、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手が乗り込み、Q1通過条件のトップ8を目指す。結果、8番手となる1分57秒640のタイムをマークし、Q1通過に成功した。続いて予選Q2は藤波選手がアタック。11番手となる1分57秒431をマークし、明日の決勝レースで上位チェッカーを十分狙えるスタートポジションを獲得した。

レース写真レース写真

決勝

天気:晴れ 気温:20℃ 路面温度:31℃

10月25日決勝。予選に引き続き終日穏やかな日差しに恵まれた絶好のレース日和となった。午後1時、セーフティーカー先導のもとフォーメーションラップが行われた後、52周300kmレースの火蓋が切られた。

藤波選手がスタートドライバーを務める56号車はオープニングラップで2台を抜くことに成功し、9位のポジションを獲得。その後も藤波選手の集中した走りで前走車をオーバーテイクし、13周目には7位まで浮上。この調子で行けば表彰台の可能性も見える展開となった。

しかし中盤、レースの明暗を分ける出来事が起きる。ライバル勢がピットインを終えていく中、21周目にS字で他の車両がコースオフしたことによりセーフティーカーが導入。ピット作業前だった56号車は既にピット作業を終わらせていたライバル勢とのマージンを大きく築いていたが、ここでリセットとなってしまう。レースは26周目にリスタートされ、56号車は29周目にルーティンワークのためピットインを遂行。タイヤ交換、給油、ドライバー交代を迅速に終えて車両を送り出すも18位までポジションダウン。それでも、後半を担ったオリベイラ選手は諦めず、粘り強い走りを披露。45周目にオーバーテイクに成功し、16位まで浮上する。しかし、その後のポジションアップは叶わず、48周目に56号車は16位でチェッカーを受けた。

藤波選手のコメント

藤波選手のコメント

前回の優勝から良い流れでもあったので、なんとしても1ポイントでも獲得出来るようにと意気込んでサーキット入りをしました。
今回から100キロのウェイトハンデとなり非常に厳しい戦いになるに間違いないですし、チームもしっかりと対策を考えてくれたお陰でフリー走行から車のフィーリングが良く走行が出来ました。
予選では、Q1突破も出来決勝はポイント獲得出来る位置からスタートが出来ました。
決勝でも車のフィーリングが良く何の不安もなく走る事が出来て順位も上げていましたがセーフティーカーのタイミングが悪く勝負権を失ってしまいました。
しかしながら今回は結果に繋がりませんでしたが、チームは凄く良い車を仕上げてくれて思い切って走る事が出来ました。
次戦は必ずチーム、JP選手と一緒に頑張ります!

オリベイラ選手のコメント

オリベイラ選手のコメント

今回の56号車は100kgのウェイトハンディながらスピードがありました。
とても良い状態にセットアップができたので決勝レースではトップ5を目指していました。
タイヤのコンディションも良かったし、予選後のセットアップ変更も良い方向になっていたんです。
そしてセーフティーカーが入っていなかったらとても良い戦略でした。
とにかくアンラッキーなレースでした。
次のもてぎのレースでは、またいい走りで頑張りたいと思います。
そして藤波選手とはとても良いコンビネーションで、リラックスして走れます。
チームもとても良い雰囲気なのでノーストレスで頑張ります。

米林エンジニアのコメント

米林エンジニアのコメント

鈴鹿のレースでは予選の順位がとても大切だったので、56号車は予選のセットアップを準備していきました。
前回の優勝でウエイトハンディが100kgとなりましたが、思っていたよりも良いタイムが出てJP選手はQ1を突破しました。
Q2の藤波選手はマシンがとても重い状態ながらもセクター1、セクター2は良い感じだったのですが
セクター3がやや厳しいようで、予選順位目標を6位~8位くらいを予定していましたが11位となりました。
決勝レースはクルマの状態がとても良かったので、リザルト目標6位以内としていた通り順調に上位に上がっていきましたがこれから更に上位にというアタック中にセーフティーカーが入ってしまい、タイミング悪く上位を走っていた全車が下位に沈むような結果になってしまいました。
セーフティーカーが入ってピットに呼び戻す時は、既に56号車はストレートを走行中だったのです。
クルマの状態がとても良かったのにもかかわらず残念な16位という結果になってしまいましたが、次戦もてぎで挽回したいと思います。
特に気温が温かい方が良い戦いができるので良い天候を望みます!

整備士インタビュー

  • 池田 昌明

    池田 昌明

    株式会社日産サティオ富山

  • 宮崎 守

    宮崎 守

    岐阜日産自動車株式会社

  • 中村 公輔

    中村 公輔

    愛知日産自動車株式会社

  • 鶴見 達弥

    鶴見 達弥

    日産プリンス名古屋販売株式会社

  • 鈴⽊ 良尚

    鈴⽊ 良尚

    三重日産自動車株式会社

  • ⽥中 洋佑

    ⽥中 洋佑

    日産プリンス三重販売株式会社

  • 三輪 真司

    三輪 真司

    滋賀日産自動車株式会社

  • 岡本 紘典

    岡本 紘典

    京都日産自動車株式会社

  • 加本 裕之

    加本 裕之

    日産大阪販売株式会社

  • 池上 直希

    池上 直希

    和歌山日産自動車株式会社

株式会社日産サティオ富山

池田 昌明

Round.6
2020年 10月24日(土) ~ 25(日)
鈴鹿サーキット

池田 昌明

熟練のタイヤ交換テクニック。

一週間のプロジェクト体験を通して一番印象に残ったのは、タイヤ交換という作業の奥の深さだ。テレビのレース中継などでもお馴染みのタイヤ脱着シーン、その素早い作業にはいろいろな手法やコツがあった。
たとえば、ホイールに身体の正面を向けて、脱着の力を真っ直ぐに加える。インパクトレンチの置き方は決まっていて、それはホイールナットの回転方向が異なる車両の右側か左側かによって変わってくる。その他、細部に至る決め事や方法がたくさんあり、チームによっても微妙に違うらしい。どのチームもわずか3~4秒と言われるタイヤ交換タイムをより縮めるために、創意と工夫を凝らしている。もちろん、レースメカニックとしての練度もモノを言う。チームの方の素晴らしくスピーディなタイヤ交換作業を見ていて、気付いたことがある。それは、音がしないことだ。無駄な動きがなく、余分な力がぶつからないから、非常に静かでひとつひとつの動きが素早いのだ。
「タイヤ交換」という作業だけを見ても、技術を磨けばここまで高められる。テクニカルスタッフとしての整備技術も、さらに向上させたいと強く思っている。

池田 昌明
池田 昌明

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岐阜日産自動車株式会社

宮崎 守

Round.6
2020年 10月24日(土) ~ 25(日)
鈴鹿サーキット

宮崎 守

守り抜く、安全最優先。

「ここまでやるか」それが私の第一印象。ひとつひとつの調整の細やかさ、数々のチェック項目には驚かされた。今回はウェイトハンデ100kgによるホイールアライメントの変更作業があった。そのために各部の測定と調整を何度も繰り返し、最適なアライメント値を追求する。その決してあきらめない、投げ出さない取り組み方には、尊敬の念を抱かずにはいられなかった。
25日の決勝日にはピットに参加できた。この日のメインの作業は、タイヤ交換や空気圧管理などで、実にシビアな作業だと実感した。タイヤの冷間時・温間時の測定や走行後の表面温度、トレッド摩耗具合などのチェックも丹念に行い、次回のレースのためにさまざまなデータを蓄積していく。ひとつの目標に向かって、一丸となるチームワークの強さを垣間見た気がした。
今回このプロジェクトに参加して、整備に対する考え方を見直す良い機会になった。レースにおいてさえスピードも大事だが、何より安全を最優先するということ。そのために一切妥協しない姿勢、強い責任感、そしてプロとしてのプライドを感じた。

宮崎 守
宮崎 守

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愛知日産自動車株式会社

中村 公輔

Round.6
2020年 10月24日(土) ~ 25(日)
鈴鹿サーキット

中村 公輔

安全、確実、そして信頼。

日産メカニックチャレンジに参加した一週間、本当にいろいろなことに気付かせてもらった。事前整備から鈴鹿入り後までのスケジュール中ずっと、整備作業面でも仕事に取り組む姿勢についても、あらゆる場面に驚きや納得があった。
たとえば、ボルトやナットは床に置かないとか、工具を置く場所を決めるとか、基本なのにいつの間にか忘れていたことに改めて気付いた。また、アンダーパネルの取付けを3名で行った時は、自分が締めつけたボルト位置とトルク値を相手にしっかり伝えるなど、お互いの声掛けが共同作業では大切なのだと実感した。
こうした作業姿勢の積み重ねが、安全・確実な整備を実現し、大きな信頼性につながっていく。レースの現場では、これに徹底した無駄のない動きが加わって、高度な作業スピードが生まれている。
自分が通常の業務に戻った時、今回の体験をしっかりと生かしたいと思った。安全・確実で、信頼される整備をさらに磨こうと決心した。

中村 公輔
中村 公輔

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日産プリンス名古屋販売株式会社

鶴見 達弥

Round.6
2020年 10月24日(土) ~ 25(日)
鈴鹿サーキット

鶴見 達弥

驚きと学びに満ちたレース体験。

1週間の日程のうち、最初の2日間は事前の整備実習と座学だった。本物のレース車両のエンジンや足回りの調整を行ない、実に充実した内容だと思った。0.1mm単位の車高調整や緻密なアライメント調整など、レースに向けたメカニック作業のシビアな世界を知った。
サーキットに入ってから、今度はそれらの作業に要求されるスピードに驚いた。なかなかついていけない自分が歯がゆかったが、すごく貴重な体験をしていると感じた。
今年はコロナ禍の影響もあり、テクニカルスタッフ達は金土曜にピット入りするグループと、日曜にピット入りするグループに別れていた。自分は金土グループで、日曜日の決勝はスタンドで観戦だった。本音を言えば日曜もピット入りしたいと思ったが、実際、スタンドのほうがレースの動向もむしろ把握しやすく、スーパーGTのレースをたっぷり楽しむことができた。
レースメカニックの現場を知り、自分でレース車両を整備し、さらにレースそのものを肌で感じて、実に価値のある経験ができた。この世界は、やはりリアルな体験でしかわからない。学びとった多くのことは、日常のテクニカルスタッフ業務にぜひ役に立てたいと思った。

鶴見 達弥
鶴見 達弥

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三重日産自動車株式会社

鈴⽊ 良尚

Round.6
2020年 10月24日(土) ~ 25(日)
鈴鹿サーキット

鈴⽊ 良尚

レースカーと過ごした一週間。

レースカーに触れるという期待を抱いて、このプロジェクトに参加した。でもやらせてもらえることは、整備のアシストとか、タイヤ管理のサポートぐらいだろうと思っていた。実際には、エンジン、ブレーキ、アライメント、空力パーツなど、走るために重要なパートの多くを整備させてもらい感激した。ただその作業内容は、オイルの一滴もこぼさない緻密で慎重な作業、ブリーダー操作がシビアなオイルのエア抜き、0.1mm単位の車高調整など、どれも自分の常識を超えるレベルだった。指導役のメカニックの方は「慌てず急がず確実に作業を」と言ってくれたが、緊張が連続する体験だった。
こうして自分たちが整備した56号車「リアライズ日産自動車大学校 GT-R」は、100kgものウェイトハンデを負いながら、予選11位というポジションを獲得した。しかし決勝では、セーフティカーのタイミングが影響して無念の16位に終わってしまった。残念ではあったけれど、ドライバーの藤波選手が「結果につながらなかったが、チームは凄く良い車を仕上げてくれて思い切って行けました。」とコメントしてくれて、頑張った甲斐があったとうれしくなった。

鈴⽊ 良尚
鈴⽊ 良尚

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日産プリンス三重販売株式会社

⽥中 洋佑

Round.6
2020年 10月24日(土) ~ 25(日)
鈴鹿サーキット

⽥中 洋佑

正確な作業が、スピードアップにつながる。

このプロジェクトに参加して当初から、テクニカルスタッフとしての基本中の基本を改めて気づかされた。それは、清掃・片付けの大切さだ。ひとつの作業が終了すると、次の作業に移る前に使った工具を片付ける。まわりを整理することで、ミスや不良箇所が発見しやすくなる。やはり基本を怠ってはいけないと思った。
アライメント調整などでアナログ的な方法が見られたが、デジタルな方法より早くしかも正確なことに驚いた。クルマの原理を熟知していれば、人間の感覚はデジタル技術に勝るとも劣らないと確信した。優れた整備士になるには、たえずクルマの勉強と経験を積み重ねていく重要性を感じた。
ピットはとにかくスピードが一番に求められる現場かと思っていたが、時間が迫ってきている時ほどあわてず丁寧に作業を進めていた。正確さ、確実さが最も大切なことだとわかった。安全・正確な作業をすることによって、結果として作業のスピードアップにつながると痛感した。ぜひ日常のメカニック業務に活かしたい。
多くのテクニカルスタッフが一度レースという特殊な現場を体感することは、店舗の整備作業をより良くするためにもとても有意義なことだと感じた。

⽥中 洋佑
⽥中 洋佑

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滋賀日産自動車株式会社

三輪 真司

Round.6
2020年 10月24日(土) ~ 25(日)
鈴鹿サーキット

三輪 真司

学びの多い貴重な経験。

ファクトリーではタイヤ交換にチャレンジした。タイヤを外して着けるだけの単純作業に見えるが、ムダを省いた速い作業が必要で、実際に体験してみると奥の深さがわかった。1秒を競うレースの世界ならではの方法を学ぶことができた。慣れた作業でももっと良い方法はないかという探求心が大切で、その追求こそがコンマ1秒の差を生み出す原動力なるのだと思った。
整備の方法やこだわり、整理整頓の重要性など目からウロコの発見もあり、私にとって非常に濃く充実した1週間だった。工具や配線もわかりやすくきちんと整理されて、すぐに使える状態になっていた。自社に戻ったら、さっそく自分の工具箱も整頓しようと、即座に決心した。
一般のクルマとはレースカーとでは違う所は多々あるが、各作業の正確さや数値に対するシビアさなどは日常のテクニカルスタッフ業務においても見習うべきことだ。私ももう一度、自分の整備に対する思いや技術を見つめ直したいと本気で考えた。このようなプロジェクトは他社ではあまり経験できないことなので、レース好きだけでなくもっともっと多くの日産テクニカルスタッフに参加して欲しい。絶対メカニックとして得になる経験だと思う。

三輪 真司
三輪 真司

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京都日産自動車株式会社

岡本 紘典

Round.6
2020年 10月24日(土) ~ 25(日)
鈴鹿サーキット

岡本 紘典

すべて正確な作業に尽きる。

私が驚いたのは、作業の内容は日々のテクニカルスタッフ業務とそれほど大差はないと思われたが、作業の質が全く違うことだ。まさにレースでは、0.1mmの誤差も許されない世界。タイヤの脱着も簡単そうに見えていたが、実際体験すると“正確に早く” 作業することはとても難しいことがわかった。体力的にも結構大変な作業で、レースメカニックのレベルの高さをまざまざと見せつけられた。
25日の決勝は、ピットに入らず観戦グループだったが、自分たちが整備したクルマが颯爽とサーキットを走る姿は、とても感慨深くチームの一員として誇らしかった。こんな貴重な体験の機会を与えてもらい感謝に堪えない。
レースは整備や調整でのたったひとつのミスが、レース結果はもちろんドライバーの命にまで直結するシビアな世界。この経験を通し、日頃の自分たちの整備の重要性、責任の重大さを強く胸に刻んだ。お客さまに安心してお乗りいただくために、私たちテクニカルスタッフは存在する。いままで以上に正確な作業を心がけ、確実に実行していきたいと思った。

岡本 紘典
岡本 紘典

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日産大阪販売株式会社

加本 裕之

Round.6
2020年 10月24日(土) ~ 25(日)
鈴鹿サーキット

加本 裕之

こだわりのアライメント調整。

レース車両の整備を体験できるこのプロジェクトに参加して、一般車両との違いを特に意識したのはアライメント調整だった。車高も含めて、どの調整も各輪にかかる重量やバランスを見ながら、非常に細かい単位で時間をかけて行っていた。レース車両では、サーキットのコース、路面、天候、タイヤ、ドライバーの走り方など、あらゆる条件でそれぞれに最高点を取れるデータを用意する必要がある。これだけきめ細かく調整しても、レース当日の状況によってはさらに調整を加えなければならない。
一般車両の場合は、日常のさまざまな走行シーンで及第点を取れるセッティングを行う。レース車両のようなアライメント調整を一般車両でやることはできない。しかし、車両整備は足回りだけではない。安全を確保し法規に沿ったうえで、お客さまのご希望や乗り方に合った整備をご提案できないものかと考えた。
公式予選の日、自分たちのグループはスタンドで観戦だった。この手で整備したマシンが目の前を走行していくのを見て、何とも言えない感激がわいてきた。車を整備する歓びを改めてかみしめた一週間だった。

加本 裕之
加本 裕之

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和歌山日産自動車株式会社

池上 直希

Round.6
2020年 10月24日(土) ~ 25(日)
鈴鹿サーキット

池上 直希

シビアさを忘れない。

ファクトリーでのスーパーGTに関する座学の中で、ホイールの傷ひとつがピットイン時の作業の遅れにつながるという話を聞いた。考えていた以上にシビアな世界だと感じた。実際の作業でもディーラーで行うアライメント調整とは全く違う方法だったが、ひとつひとつのアライメント調整の目標値がかなり厳密に設定されていた。ホイール交換も許される時間は1輪につき約5秒、ピットでの整備のシビアさは計り知れない。そのためピットでは一人ひとりの役割がしっかりと決まっていて、それぞれが専念することによって最大限のチーム力を発揮していた。一人ひとりの役割と連携、まさに普段のテクニカルスタッフ業務とも共通することだと思った。
それとデータ収集の重要性を再認識した。アライメント調整ではサーキットごとに過去のデータと照合し、きめ細かな調整が行われていた。ピットでは忙しい中、走行後のタイヤ状態をデータとしてきっちり記録する。先のレースまで視野に入れているのが印象的だった。これも私たちの業務につながること。お客さまのクルマの過去の状態を把握することも、確実な整備には欠かせないことだと思う。

池上 直希
池上 直希

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