【4人乗り乗用車で世界最小最軽量のESV車の開発に成功】
1970年アメリカ運輸省(DOT)のESV(Experimental Safty Vehicle:実験用安全車)プログラムが発表され、世界各国に協力が要請されました。当社も研究者50人程のチームを結成し、世界最小最軽量の4人乗り乗用車の実験用安全車開発に正式参加しました。アメリカ運輸省から提案された主な条件は、『時速80キロで正面衝突しても車内の人間が受ける衝撃は頭部で80G、その他の部分で40G以下』『時速80キロで衝突しても、車室内の変形は3インチ(約7.5cm以下)』『4フィート(約1.2m)の高さから逆さに落下しても、車室内の変形は3インチ以下』といった厳しいものでした。この条件をクリアするため、「エアバッグ組み込みステアリング及び助手席エアバッグ、後席用エアバッグ」「バンパショックアブソーバ」「エネルギー吸収部分を組み合わせたボデー構造」などを装備した実験用安全車を開発しました。衝突実験は満足できる結果が得られましたが、信頼性、生産性や居住性、重量、燃費などの車両性能全般について、実用レベルの車として生産に移すにはまだまだ研究・開発が必要でした。