衝突事故の際、クルマのボディに必要なことは、 生存空間を確保する“強さ”と、人体への衝撃を和らげる“しなやかさ”の両立です。 何よりも、人間の命を守るボディであること。 日産の「ゾーンボディという考え方」は、そこからスタートしています。
万一の衝突事故の際、クルマのボディはどうあるべきか。車体は堅いほど安全と思われがちですが、一概にそうとは言い切れません。日産は乗員の命を守ることを第一に考え、必要なら車体を壊すことも厭いません。まず、衝突事故で乗員が傷害を受けるパターンは大きく二つあることを理解してください。「衝撃でキャビンが変形し生存空間が減少することによる傷害」と、「衝突時の急激な減速で乗員に大きな力が加わったり、乗員が室内装備に激突したりするような傷害」です。前者に対しては、強さ=“高強度キャビン”が必要です。日産では特に、衝突のショックを様々な構造部材によって“分散させ逃がしてやる”構造をキャビンに採用し、空間維持の性能を高めています。その一方で、後者の「車体減速度」による受傷の危険性は、車体が堅固なほど増してしまうのです。この場合、ボディには、変形すること=“衝撃吸収力”が求められます。重要なのは、衝撃を分散し生存空間を確保する“強さ”と、衝撃を吸収し人体への衝撃を和らげる“しなやかさ”を、両立させること。これが、「セーフティゾーン(高強度キャビン)」と「クラッシャブルゾーン(衝撃吸収ボディ)」からなる「ゾーンボディという考え方」なのです。そして、フルラップ前面衝突やオフセット衝突だけでなく、斜め衝突、側面衝突、ポール衝突など、起こりうる様々な形態の事故を想定して衝突実験を行っています。日産は、ある車種だけを限定して安全性を謳ったり、ある衝突形態だけを想定して安全性を語ることはしません。―私たち日産の目標は、つねに「あらゆる事故に対して、乗員の生命を守ること」にあるのです。
日産は、マーチからプレジデントまで全ての乗用車に「ゾーンボディ・コンセプト」を採用しています。
日産の「ゾーンボディ・コンセプト」をご理解いただけましたでしょうか。日産は、マーチからプレジデントまで全ての乗用車に「ゾーンボディ・コンセプト」を採用しています。 今回は衝突シュミレーションのワイヤーフレームアニメと衝突写真を用意しました。 どうぞ、ご覧下さい。次回は、衝突実験についてのフォーラムを用意しています。