GT-Rは従来の指定部品及び指定油脂に加え、以下についても特別に指定しています。必ず指定された部品及び油脂類を使用してください。
指定油脂
エンジンオイル:Mobil 1(0W-40)(100%化学合成オイル)
エンジン各部の保護及び性能を十分に発揮させるため、エンジンオイルはサーキットなどでのハードスポーツ走行を含め、膜圧保持性、極圧性の高いMobil 1(0W-40)(100%化学合成オイル)を必ず使用してください。
なお、サーキット走行が多い場合は、MOTUL製NISMO COMPETITION OIL type 2193E(5W40)をおすすめします。
添加剤や研磨剤は絶対使用しないでください。
〈理由〉
GT-RのエンジンVR38DETTは、新開発のライナーレス(プラズマコーティングボア)を採用しており、添加剤や研磨剤、チューニングされた高性能エンジンオイルを使用すると、バルブ周りにスラッジの蓄積や、プラズマコーティングを削りエンジン内部にダメージを与えます。
注意:
エンジンオイルのメンテナンス
納車時のエンジンオイルレベルは、スポーツ走行時に最適な『H-10mm』に合わせています。スポーツ走行前の点検・調整・推奨項目
高出力化に伴いエンジンオイルへの負担が増えています。
高性能を維持するため、3,000kmごとのオイルレベル点検と補充を必ず実施してください。
エンジンオイル消費量の目安は、最大で0.5ℓ/1,000kmです。これ以下のエンジンオイル消費は異常ではありません。
なお、通常の交換インターバルは15,000km/1年となります。
スポーツ走行時のオイル交換インターバルは、スポーツ走行後のオイル交換インターバル(スポーツ走行後のオイル交換インターバル)をご覧ください。
MOTUL製NISMO COMPETITION OIL type 2193E(5W40)の交換は、MOTULが推奨する交換時期に従ってください。詳しくは、NISMOエキスパートショップ又はNISSAN GT-R特約サービス工場にご相談ください。
オイルフィルターは、エンジンオイル交換時にセットで交換してください。
トランスミッションオイル:ミッションオイルR35スペシャル(100%化学合成オイル)
トランスミッション各部の保護及び性能を十分に発揮させるため、ミッションオイルR35スペシャル(100%化学合成オイル)を必ず使用してください。
添加剤は絶対に使用しないでください。
〈理由〉
GT-Rのトランスミッションには、湿式多板クラッチを油圧で制御する新開発のデュアルクラッチトランスミッションGR6を採用しており、クラッチの締結のための高い摩擦力とギヤやベアリングの潤滑のための低い摩擦力という矛盾した機能を両立させたGT-R専用トランスミッションオイルを使用しています。
添加剤や他のトランスミッションオイルを使用すると、クラッチの滑りや、油膜の保持ができなくなることによるギヤ・べアリングの破損が発生します。
デファレンシャルオイル(フロント、リヤ):デファレンシャルオイルR35 COMPETITION type 2189E
デファレンシャル各部の保護及びLSD性能を十分に発揮させるため、デファレンシャルオイルは油温上昇を抑制できるデファレンシャルオイルR35 COMPETITION type 2189Eを必ず使用してください。
添加剤は絶対使用しないでください。
〈理由〉
走行環境に応じた適切な駆動力配分を可能にするため、デファレンシャルには1.5WayメカニカルLSD(リミテッドスリップデファレンシャル)を採用しています。添加剤や他のデファレンシャルオイルを使用すると、油温が上昇し、ファイナルドライブが破損する場合があります。
LSDの摩擦特性が変化するため、振動が発生したりLSDの効き(差動制限力)が不安定となり、車両の挙動に影響を及ぼします。
ブレーキフルード:ブレーキフルードR35スペシャルⅡ
以下の性能を確保するため、ブレーキフルードR35スペシャルⅡを必ず使用してください。
〈理由〉
ブレーキフルードR35スペシャルⅡ以外のブレーキフルードを使用すると、対ベーパーロック性の確保やVDC関連機器などを様々な状況で安定して作動させることができなくなるおそれがあります。