これらの現象は異常ではありません

これらの現象は異常ではありませんが、ご不明な点があるときはNHPC又はNISSAN GT-R特約サービス工場にお問い合わせください。

〈タイヤ・ロードホイール〉

現象

原因及び対応

ロードホイールからの“パキパキ”音

〈原因〉

スポーツ走行をするときなどに必要な締結力の確保と、ブレーキシステムの発熱によるホイール自体の膨張時の逃げを両立するため、接合部から“パキパキ”音が発生する場合があります。これは熱変形を逃がすための音であり、異常ではありません。

〈対応〉

温度が下がると音は小さくなります。また、締結面をクリーニングすると、音は小さくなります。

タイヤの摩耗が不均一

工場出荷時は高速走行での高い直進安定性やスポーツ走行での高いコーナーリング性能を発揮するようにホイールアライメントを設定しています。

そのため、日常走行を主に使用した場合、タイヤの摩耗が不均一になることがありますが異常ではありません。

偏摩耗の兆候がある場合はNHPC又はNISSAN GT-R特約サービス工場に相談し、ホイールアライメントの確認と必要に応じてアライメントの調整を実施してください。

〈ブレーキ〉

現象

原因及び対応

ブレーキ時の“キー”音

〈原因〉

幅広い走行環境において高い制動力を発揮できる鉄系の摩擦材と大型のブレーキパッドを採用しています。そのため、停止寸前の緩ブレーキ時に“キー”という音が出ることがありますが、摩耗と時間経過とともに音は減少します。

〈対応〉

クロススプリングの交換や、追加のブレーキ焼入れの実施などにより“キー”音が軽減することがありますので、ブレーキ時の“キー”音が続く場合にはNHPC又はNISSAN GT-R特約サービス工場にご相談ください。

ブレーキパッド周辺からの“カタカタ”音

〈原因〉

この車両の高性能ブレーキシステムは超高温度領域から雪道のような低温度領域までの幅広い走行環境で安定した制動性能を確保するために、ブレーキパッドとブレーキキャリパーのすき間を通常より若干大きく設定しており、また、ブレーキパッドも大型であるため、タイヤが段差を乗り越えるときにブレーキパッド周辺から軽度の“カタカタ”音がする場合がありますが異常ではありません。

〈対応〉

クロススプリングの交換で“カタカタ”音が軽減することがありますので、“カタカタ”音が続く場合にはNHPC又はNISSAN GT-R特約サービス工場にご相談ください。

ブレーキパッド表面及び側面のひび

〈原因〉

スポーツ走行時に発生する高温と大きな制動力を受け止めるため、ブレーキパッドの摩擦材と座金の接着を従来に比べより強固にしています。そのため、摩擦材と座金の熱膨張率の差により、ブレーキパッドの摩擦材表面及び側面に多少のひびが発生することがあります。この現象は摩擦材と座金の接着を確保している結果、摩擦材と座金の熱膨張の違いから発生する現象ですので、異常ではありません。

〈対応〉

ひびの状態によってはブレーキパッドなどの交換が必要となりますので、NHPC又はNISSAN GT-R特約サービス工場にご相談ください。

ブレーキパッドの張り付き

〈原因〉

スポーツ走行などの超高温度領域から雪道のような低温度領域及び通常の雨天走行時の効きなど幅広い走行環境で安定した制動性能を発揮するため、鉄製のブレーキディスクローターと鉄を主体としたブレーキパッドを採用しています。

また、ヒルスタートアシスト機能により、ブレーキペダルから足を離した状態でも停車時に約2秒間ブレーキ力を保持し、ブレーキパッドをブレーキディスクローターに押し付けた状態となります。

そのため、ブレーキシステムが濡れたまま長時間駐車すると、ブレーキパッドとブレーキディスクローターに含まれる鉄分が錆びて固着し、走行時に異音や振動が発生する場合があります。

〈対応〉

ブレーキパッド新品時から約2mm減るまで(目安として約5,000~10,000km走行程度)は以下の手順で駐車してください。

(ブレーキパッド新品時の厚さ:フロント約11mm、リヤ約12mm)

(1)乾いたところで走行するなどしてブレーキを乾かした後、車を完全に停車させます。

(2)ブレーキペダルを踏んだままパーキングブレーキをかけます。

(3)シフトレバーを[P]に入れます。

(4)ブレーキペダルから足を離します。

(5)約20秒アイドリング後にエンジンを止めます。

※エンジンを停止してからもブレーキペダルは踏まないでください。

万一踏んでしまった場合は、再度エンジンをかけて、4.の手順からやり直してください。

注意:

  • 特にブレーキが濡れた状態の場合は1kmほど走行して、ブレーキシステムを乾かしてから駐車してください。(特に洗車後数m走ったのみの駐車は、最も固着しやすい条件となります。)

  • ブレーキパッドとローターの焼入れを実施し、表面に酸化鉄の層ができるようにすると固着の低減効果があります。また、定期的に強めのブレーキをかけることで、効果を持続させることができます。(ブレーキの焼入れの実施についてはNHPC又はNISSAN GT-R特約サービス工場にご相談ください。)

ディスクローター表面の冷却孔周りの亀裂

〈原因〉

寒い時期に山道などで高負荷のブレーキを繰り返すと、ディスクローターの内部が冷えた状態で表面が熱くなり、温度差によって冷却孔周りに3mm程度の亀裂が発生する場合がありますが、制動性能に対しては問題なく異常ではありません。

〈対応〉

そのまま継続して使用が可能です。

ただし、サーキット走行時に高負荷のブレーキを繰り返した場合や継続して使用したことにより、4mm以上の亀裂が発生した場合はディスクローターを交換してください。

〈その他〉

現象

原因及び対応

燃料補給時のふきこぼれ

スポーツ走行後の給油に関しては、『スポーツ走行する場合のメンテナンス』(スポーツ走行する場合のメンテナンス)をお読みください。

外気温度表示

スポーツ走行、高速走行までの冷却性能を保証した大型大容量のラジエーター、インタークーラーを採用しています。

そのため、エンジンルーム内の熱が走行中又は停車中に放熱されることによって、外気温度表示が実際の外気温より高めに表示される場合がありますが異常ではありません。

エンジン停止後も冷却ファンが作動している

スポーツ走行などでエンジンが高温になっているときは、エンジンを停止しても各部の冷却のために約2分間冷却ファンが作動することがあります。

ファンが作動しているときは、手などを巻き込まれないように注意してください。

アイドル回転が安定しない

スポーツ走行などでエンジンルーム内が異常に高温になった状態でエンジンを始動させた場合、始動直後にアイドル回転が安定しないことがありますが異常ではありません。

エンジン回転数の制限

高性能を維持するため、以下の場合にエンジン回転数を制限します。

  • 空ぶかし時は、4,300rpm以上に上がりません。

  • エンジンオイルの油温が0℃以下又は135℃以上のときは、4,000rpm以上に上がりません。(このとき、[M]レンジの場合は自動的に[A]レンジに切り替わります。)

エンジン出力の制限(高度の条件)

高度約1,000m以上の高地では、エンジン保護のために出力を抑えています。

エンジン出力の制限(水温の条件)

エンジン冷却水の温度が約70℃以下及び110℃以上では、エンジン保護のため出力を低下させる制御が作動しますが、異常ではありません。

約70℃以下のときはウォームアップ走行を行い、110℃以上のときはクールダウン走行を行ってください。エンジン冷却水が約70℃から110℃未満で本来の出力となります。

マフラーの表面色が変化する

GT-R専用純正電子制御バルブ付チタンマフラー★には、材料にチタン合金を使用しているため、走行条件により表面色が変化します。また、工場出荷前にエンジン・トランスミッション・クラッチの合わせ込みやブレーキの焼き入れ走行を行っているため、車両によりマフラー表面色が異なります。

エンジン停止後にマフラー付近から音がする

エンジン停止(急冷)後、GT-R専用純正電子制御バルブ付チタンマフラー★のインナーパイプとアウターパイプの熱膨張差により、金属がこすれるような音や、“チチチ”という音が発生する場合があります。温度が下がれば音は小さくなります。

カーボン製部品表面の凹凸やざらつき、繊維のよれ

リアルカーボン本来の質感を感じていただくため、レーシングカー同様にカーボン製部品の表面は薄くコーティングしているため、表面にざらつきや凹凸がありますが、異常ではありません。

アイドリング時やエンジン低回転時に助手席側排気管出口から排気ガスが出ない

GT-R専用純正電子制御バルブ付チタンマフラー★は、助手席側排気管出口前に電子制御バルブを設けています。

エキゾースト・サウンド・コントロール★をONにしたとき、又はエンジンが低回転のときは、バルブを閉じることで静粛性を向上させることができます。

バルブが閉じているときは、助手席側排気管出口から排気ガスが出ませんが、異常ではありません。

エキゾースト・サウンド・コントロール★

新開発トランスミッションの狙いとメリット

GT-R専用のトランスミッションとして、「[M]レンジ(手動変速)は、マニュアルトランスミッションの運転感覚そのままに」、「[A]レンジ(自動変速)は、マニュアルトランスミッションの運転感覚をイージーに」楽しめることを狙いとして、高効率マニュアルトランスミッションをベースに湿式多板クラッチ及びシフト機構の油圧を電子制御して発進及び変速を行う新開発のシステムとしました。

従来のトルクコンバーター式オートマチックトランスミッションでは実現できない、強力な加速やエンジンブレーキを、アクセルペダルでコントロールでき、「ダイレクトでリニアな走行」、「F1感覚のすばやい変速」、「燃費の良さ」、「クリーンな排気」を実現しています。

使用条件及び制約条件

従来のトルクコンバーター式オートマチックトランスミッションとシステムが異なるため、下記に記載する使用条件及び制約条件が従来と異なることをご理解いただき、マルチパフォーマンスをお楽しみください。

機  構

使用条件及び制約条件 -下記のような現象は異常ではありません。-

マニュアルトランスミッションベース

  • マニュアルトランスミッションと同様に、平行軸歯車を採用しているため、ギヤの衝突音が発生し、下記の理由により、従来のトルクコンバーター式オートマチックトランスミッションに比べ音が大きくなります。

    • スポーツ走行時でもギア歯面の潤滑能力を維持するための大きめのバックラッシュ量を確保しているため。

    • スポーツ走行時でも安定したオイル供給が可能なドライサンプ潤滑方式を採用しているため。

    • アクセルレスポンスを高めるために軽量フライホイールを採用しているため。

    特にスポーツ走行直後などは“ガラガラ”“カラカラ”“ジャー”という音がでる場合があります。

    ⇒トランスミッションオイルの温度が下がると音は小さくなります。

  • 変速作動時に“カチャ”という音が出る場合があります。

  • 車両が停止する前に[R]から[A]↔[M]又は[A]↔[M]から[R]にシフトレバーを切り替えると、変速が遅れたり変速できない場合があります。必ずブレーキペダルを踏んで車両が確実に停止していることを確認してから操作してください。

湿式多板クラッチ

  • 停車中[A]↔[M]、[R]にシフトレバーがあるときは、ブレーキペダルを離すと、発進準備のため、マニュアル車の半クラッチ時のような状態となり、車両がゆっくりと動き出します。

    (状況によっては動かない場合もあります。)

    ⇒停車中はブレーキペダルをしっかりと踏んでください。

  • ブレーキペダルとアクセルペダルを同時に踏み込むと、クラッチが加熱状態となり、摩耗や劣化の進行が早まります。

    ⇒ブレーキペダルとアクセルペダルを同時に踏みこむ操作は控えてください。

  • 「坂道でのアクセルペダルでの調節による停止」を行うと、マニュアル車と同じようにクラッチが過熱状態となり、トランスミッションの損傷やエンストが発生する場合があります。

    また、坂道で停止するときは確実にブレーキペダルを踏んで停止し、アクセルペダルでの調節による停止操作を行わないでください。

電制油圧コントロール

温度変化によるオイル粘性抵抗変化などにより以下の現象が発生します。

  • トランスミッション油温がスポーツ走行後などの高温時や冬場の温度が非常に低い場合など、油圧応答特性変化による発進・変速時の滑り感やショックが出る場合があります。

    ⇒トランスミッションオイルが通常の温度に戻れば、滑り感やショックは減少します。

  • トランスミッション油温が冬場などの温度が非常に低い場合は、油圧応答特性変化によりシステムチェックの時間が長くなる場合があります。

    ⇒システムチェック中はシフトレバーが[P]から抜けません。システムチェック表示が消灯後にシフトレバーを操作してください。

    また、システムチェック中に“ガシャ”という作動音が聞こえたり、エンジン回転数が低くなることがあります。

モード切り替え

  • [M]レンジは変速スピードを速くしているため、発進・変速時にショックやギクシャク感が出る場合があります。

  • [M]レンジのRモードでは、スポーツ走行時に変速スピードが最速になるようにしているため、日常走行時では変速スピードが遅くなる場合があります。

メカニカルLSD

  • 低温時に車庫入れなど、ハンドルを大きく切った状態で発進すると、タイヤスリップによる振動や差動音が発生する場合があります。これは低温時にはデファレンシャルオイルの粘性が高くなりLSDの作動力が強くなることが原因です。ハンドルを直進状態に戻すかデファレンシャルオイルの温度が上がれば解消します。

電子制御4WD

  • 低温時の車庫入れなど、ハンドルを大きく切った状態で発進すると、アクセルペダルを踏んでも車が前後に動きづらい場合があります。

    これは前輪と後輪に回転差が生じるために起きる4WD車特有の現象であり、異常ではありません。

    ハンドルを直進状態に戻せば解消します。また、特定の条件を満たした場合のみ2WD状態とすることで、本現象が緩和されます。

    タイトコーナーブレーキング現象について

    タイトコーナーブレーキング現象緩和機能

軽量フライホイール

  • アクセルペダル操作に対するエンジンレスポンスを高めるため、軽量フライホイールを採用しています。そのため、従来の車に比べエンジン回転数の変動が大きくなり、アイドリング時や低速走行時に“ガラガラ”“カラカラ”“ジャー”という音が出る場合があります。

  • エンジン始動時や停止時に“ガラガラ”という音が出る場合があります。

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