ツインターボ登場
エンジンは300ZRでも使用されたVG30DE、そしてVG30DEのターボユニットとしてVG30DETTが登場。Z32となって2リッターエンジン搭載車はなくなっている。
ノンターボのVG30DEについても、型式こそZ31同様ながら、クランクシャフト剛性の見直し、ケースの軽量化、吸排気系の全面的な見直しなど徹底したZ32専用のチューンを受け、出力も旧300ZXのターボモデルと肩を並べる230PS/6400rpm、27.8kg-m/4800rpmと、格段にスープアップされたのが解る。
また、VG30DETTに搭載されるツインターボユニットは、国産モデルとしては最強の280PS/6400rpm、39.6kg-m/3600rpmと、Zの最強記録をあっさりと塗り替えることになる。
圧縮比はVG30DEが10.5、VG30DETTが8.5と比較的高めの設定となり、アクセルレスポンスにたいしてリニアさが重視された。無論、両エンジンとも無鉛ハイオク仕様である。
特に、60度のバンク角をもっているV6エンジンをインテーク、エクゾースト系を全く左右で別々としたことで、吸排気系のレイアウトを最適化しつつ、全高が低くコンパクトなエンジンルーム内でも無理のないレイアウトを具現化したことも、特筆すべきポイントとなる。
これはスロットルチャンバー、触媒、マフラーに至るまで左右でセパレート化されているのだ。もちろん、エンジン内部の進化や、ツインインテーク、ツインエクゾーストのシステムはターボモデルも同様である。ターボチャージャー、インタークーラーも左右のバンク毎に備わっている。これにより、シングルターボよりもターボからのパイピングなどにも自由度が生まれ、レスポンス重視に向けた最適化も成されている。
ターボモデルでは過給特性もAT、5MTで変更するなど、ドライバビリティーの向上は細部にわたっている。