ZR

ストレート6再来
RB20DET+Z 野生味を手に入れる


Z31のデビューから2年目の秋、よりスポーツマインドを強調した新しいモデルが追加された。その心臓部にはZ31の登場以来しばらく姿を消していた直列6気筒エンジンが搭載されたのである。DOHC4バルブヘッドをもつこのエンジンは、Zの歴史上ではZ432以来のマルチバルブエンジンということになる。
グレード名はZR。装備面で細かい違いはあるものの、T BAR ROOFを備えるZR-2、ス トックルーフのZR-1の2機種が用意されている。

ZRのエンジンはDOHC24バルブ6気筒+ターボ&インタークーラーを装備しRB20DET。これはZに搭載される2ヶ月程前、7thスカイラインとともにデビューした新しいユニットだ。85年春から出力の表示方法をグロスからより搭載状態に近いネット方式に改めたため、従来の15%ほど低い数値となるが、それでも180PS/6400rpm、23.0kgm/3600rpmと魅力たっぷりのスペックが与えられている。
ZRに採用されたRB20DETに採用されたターボユニットは、タービン側インペラに軽量素材のファインセラミックを用いることで、タービンの回転慣性モーメントを同サイズの金属製インペラに比べ約45%も軽減。これによってレスポンスの向上はもちろん、過渡特性の優れたパワーを得たことも記さないわけにはいかない。
余談ながらこの技術はガスタービン学会でも評価を受け、第3回目の同学会賞受賞の栄誉に輝いている。

その他、ZRにはインタークーラーに空気を送り込むエアスクープを持つボンネットフード、3000シリーズ同様の5本スタッドのアルミホイールも採用されている。また、スプリング定数、ショックアブソーバーの減衰圧特性に変更を受け、LSDも標準装備とするなど、専用のチューンが与えられた。
ドアを開けても、太い3本スポークのステアリングやスポーティーシートの採用など、細かい部分でスポーツ性をより高め留変更も同時に行われ、2000のイメージリーダーとして大きく飛躍した。
なお、ZRシリーズは2シーター、2by2ともに用意されるが、トランスミッションにZ31自慢の一つ、電子制御式フルロックアップタイプのATがラインナップはなく、5MT専用モデルとなっている。このこともZRの性格をより強くアピールしているといえるだろう。

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