SP311

  繊細さを脱ぎよりマッシブに SP311

SP311
この年、運転免許保有者は2千万人を突破。名神高速が全通し、国内のモータリングにも高速、スピードがキーワードになりつつあった。
フェアレディもそれまでのエレガント路線から、よりスピードを強調するスタイルへと変化を始めていた。
SP310のラジエターグリルやホイールキャップに繊細なディテールを持っていたのに対し、65年に登場したSP311はよりマッスルで加速、最高速の速さを強調した作りになっている。ラジエターグリルは横3本線の意匠となり、ホイールキャップは汎用のものを採用。これは、それまでの13インチホイールから14インチに大径化されたことによるものだ。
搭載されるエンジンは同じOHVヘッドを持ちながら、よりオーバースクエアのボア×ストローク比を持つR型をチョイス。87.2mmのボア径に対し、ストロークは66.8mmと、そのショートストロークぶりがうかがえる。パワーアップ版のG型同様、ツインキャブとデュアルエキゾーストを与えられ、90PSと13.5kg-mを手に入れている。キャブレターのスロットルボアは1500と共通ながら、排気量のアップ、何よりショートストローク化により最高出力を6,000rpmで生み出す、というスポーツユニットととして磨きがかかったのは言うまでもない。
SP311 エンジン
また、レシオの変更されたミッションはノンシンクロだった1速にもシンクロを追加しフルシンクロ化。シフトの確実さはもとより、クイックなシフトにも対応したほか、前輪ブレーキを2リーディングドラムから、放熱性と雨天時の制動性に優れたディスクブレーキに変更。その後に続くフェアレディの高性能化を受けとめるべく、シャーシポテンシャルを大いに向上させている。そして1年後には、SR311、2000ccを搭載したフェアレディが登場するのである。価格は93万円。

SP311

SP311
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