やっぱり気になるL28E
2000のZのパワープラントは、水冷直列6気筒OHC2バルブから130PS、17.0kg-mをだすL20E。これはすでにZのエンジンとしてはお馴染みのもとなっていた。それよりも、S130Zで気になるのは、やはりL28Eだろう。エンジンのボア×ストロークは86.0mm×79.0mm。圧縮比は8.3。燃焼室はL20E同様ウエッジ型。そしてカウンターフローの吸排気も同様。つまりは拡大版だ。
このエンジンが生み出す出力は145PS、23.0kg-m。L28E自体はすでに、330型セドリック、グロリア、ローレルC130の後期型からL26に代わって搭載され、ニッサンファンにはすでに馴染みのユニットだった。
Zに搭載されたL28エンジンは、昭和53年排出ガス規制に適合させるため、燃料マネージメントにニッサンEGIを組み合わせ、ガス中のCO,HC,NOX低減のために三元触媒が装着された仕様のものだった。
新スポーツカー時代到来
折しも、厳しい排出ガス規制をクリアした各メーカーからスポーツ冬の時代に別れを告げるがごとく、スポーツカー回帰を思わせるライバル達が出現したのも当時の大きな特徴だった。
マツダからは12Aロータリー(130PS/7000rpm、16.5kg-m/4000rpm)をフロントミッドシップに搭載したサバンナRX-7が登場。リトラクタブルヘッドライトの採用や軽量な車体が生み出す動力性能など、当時の話題になった。とくに、サバンナという名前こそ引き継いだものの、4ドアセダンと2ドアクーペの後継車とは思えない運動性重視の思想は今にも引き継がれている。
また、当時ジャンル的にはスペシャリティーカーと呼ばれるグループに向けたセリカXXも当時の雑誌をひもとくとZのライバルとして引き合いに出される事が多かった。
XXは、セリカのノーズを伸ばし2リッター(125PS/6000rpm、17.0kg-m/4400rpm)と2.6リッター(140PS/5400rpm、21.5kg-m/3600rpm)の、直列OHC6気筒エンジンを搭載したセリカXX、輸出名スープラがその一台となる。
こうしたライバルの中にあっても、さすがにフェアレディZの存在感は大きく、歴史というバックグラウンドがいかにスポーツカーというジャンルのクルマに大切かを、ファン達も大いに再確認したに違いない。