人影の少ないところ、ものものしいところ。
会場をぐるっと見回してみると、いつも目にする日本のモーターショーとは違って静かな事が印象的。隣あったブースから全く違うアナウンスとBGMが激突して、音と情報の洪水なんてこともないし、お目当ての車にたどり着くのに、人の流れに刃向かって行かなければならない事だってない。そう考えると、このシカゴショーの見やすさは本当に印象的。ま、今日がウイークデーということもあるとは思うし、会場の中心にあるレストランはショーがオープンしている間は営業しているけど、味の方は日本とどっこい。
ま、それにしても、リラックスして車を見られれば、シカゴまでひとっ飛びしてきた甲斐もあるというもの。
さて、こちらはジャガーのブース。ダブルシックスの周りはなにやら
ただならぬ雰囲気に包まれている。アテンダーなのだろうが、一台に数
人はいる勘定だ。でも、要人のガードマン、それともシークレットサー
ビスに見えてしまうのは私だけだろうか。どうやら耳にイヤホンをして
いないから、そんな事はないんだろうけど、やっぱり車両価格の高い車
はアメリカでもガードが堅いのだろう。おまけに、ボディークリーンま
でこまめに手を動かしている。OK、見るだけ。触りませんよっ。
そうした重々しい空気をよそに、登場間もないXK8はその流麗なクーペスタイル、そしてコンバーチブルに、年輩の方が関心をよせていた。やっぱり、人の重みに車の重み。昨日見たBMWのZ3あたりとはだいぶ年齢層が違う感じだ。
それと、ちょっとばかりイスズのブースは人影が薄かったのが気になった。単に展示スペースが人気ブースの間にあり、人が足を止めにくかっただけだと思うけど。でも、SUVのシャーシをカットモデル的に展示し、パーツ、パーツの色彩感覚がアメリカしてたけど。
どうやら時差ボケの瞼がグンと重さを増してきた。一旦ホテルに戻って
明日出直すことにしよう。
その夜、ふと目を覚ますと、時計は夜の11時。窓から外を見おろすとオ
レンジ色の街灯が照らす街に人影はない。その向こうの広大な闇の広がり
はミシガン湖だ。窓に触るととんでもなく冷たい。TVでESPNにチャンネ
ルを合わせたら、木こりの丸太切り競争をやっていた。オノや巨大鋸で並
の日本人の太股より太そうな腕を持った木こりが、一気に木を切る速さで
競うトーナメントのようだ。しかも、チェーンソーのクラスにはアンリミ
テッドモディファイもあったりして、直径80cmはありそうな奴を、本当
に数秒で切り落としている。なんでもショーアップ、なんでもスポーツ。
でも、その片方でものすごく自然保護の声をあげ、環境問題に真剣でZEV
の実用化がとっくに始まっている国。本当に面白い国だと思う。
知らぬ間にまた眠ってしまった。
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