今、巷でウワサになっているコト・モノを徹底リサーチ! 流行のクラフトや、
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トキちゃん
(土岐薫さん)
シティ情報ふくおかのアート
担当を経て、現在は「アート
マップふくおか」の制作を担当
するなど、福岡のアート
シーンで活躍中。
今回、トキちゃんがおススメ
するのは、いずれも大手企業
の創設者による超有名コ
レクションを公開する、福岡の
2大私設美術館。久留米の
「石橋美術館」と門司の
「出光美術館」をご紹介します。
石橋財団の所蔵作品は全部で約2400点。うちフランス近代絵画は
東京、日本の近代洋画とそれ以外の作品、陶磁器、日本書画などが久留米に所蔵されています。また隣接している美しい庭園や
坂本繁二郎のアトリエなども見ごたえがあります。
東京と門司にある出光美術館では、年間に約5回の企画展を開催。
先に東京で開催され、そのダイジェスト版が門司で見られるそう。
コレクションの魅力は、東洋の古美術、日中の陶磁器、書画などが、
幅広い時代に渡って揃っているところ!
ここはブリヂストンの創業者・石橋正二郎氏のコレクションが収蔵されている美術館。
久留米出身の画家、青木繁、坂本繁二郎の作品は必見。
黒田清輝「針仕事」
美しい女性や風景を明るい色調
で描いた作品が多い石橋
コレクションの、まさに典型とも
言えるのが、この黒田清輝の
作品です。日本洋画の確立に
大きく貢献した画家で、法律の
勉強でフランス留学中に絵画に
目覚め、これを描いたといいます。
青木繁「海の幸」久留米出身の代表作家と言えば青木繁と坂本繁二郎。二人は同い年の友人同士で、これは、房総半島の布良海岸を旅行したときの風景を、青木が作品にしたもの。手前の男性は坂本、後の女性は当時の彼女がモデルになったといわれています。
28歳で亡くなった青木繁の作品が石橋財団に多く所蔵
されているのも、坂本が石橋正二郎に提案したからという
秘話も。
毎週日曜(第5除く)
14:00〜14:20は学芸員の方が展示
作品や作家についての説明をしてくれる
そうです。
上記以外の時間は受付にある音声
ガイド(300円)を利用してみては
いかがでしょう。
森山 秀子さん
クリスマスまでは「絵の中の
ふたりーシャガールから靉嘔
(アイオウ)まで」も開催されて
います。さらに来年は50周年
!記念展示もありますので
乞うご期待。
■石橋美術館
住 所:
福岡県久留米市野中町1015
電 話:
0942-39-1131
入館料:
700円
U R L:
http://www.ishibashi-museum.gr.jp
門司港駅から海峡プラザを通って徒歩約10分。こちらは出光興産の創始者、出光 佐三氏の
コレクションを収蔵しています。東京の本館に次いで2000年に建てられ、ちょうど今、5周年
記念の名品展が開催中!
宮本武蔵作「竹雀図」
巌流島での佐々木小次郎と宮本武蔵の
決闘は有名ですが、実は、この宮本武蔵、
引退後は芸術家としても名を馳せた
というのはご存知ですか?晩年、彼は
熊本に身を置き、その時制作したのがこの
《竹雀図》なんです!武蔵の作品は希少で、
出光コレクションではこれが唯一の作品
です。
喜多川歌麿作「更衣美人図」
※重要文化財
歌麿と言えば、一般によく知られて
いるのは、歌舞伎役者などの顔を大胆
に描いた大首絵という版画作品
ですが、このような肉筆作品は大変
珍しいのです。この時代の作品に
重要文化財という冠がついて いるのも
異例です。
出光美術館の館内は主に2つに分かれて
いて、ひとつはサム・フランシス、
ルオーといった洋画家の作品の展示室、その奥が企画展のスペースになっています。
宗像 晋作さん
他にも興味深い作品めじろ
押し。出光コレクションの
名品をダイジェストで見られる
絶好のチャンス、見逃す
わけにはいきませんよ。
■出光美術館
住 所:
福岡県北九州市門司区東港町2−3
電 話:
093-332-0251
入館料:
600円
U R L:
http://www.idemitsu.co.jp/museum/