世界と日産のSRSエアバッグの主な歴史【世界編】
- SRSエアバッグなどの安全装置の開発は、性能の向上したクルマや舗装された道路などの出現により、死亡事故になる大きな事故が増加したことによる。まず飛行機のシートベルトの発想から、クルマにシートベルトが取り付けられる。
- 1952年にエアバッグの最初の特許がアメリカで取られる。
- このエアバッグは衝突時に自動的に膨らむエアクッションをステアリングホイールなどの座席と前席シート後面に取り付け、乗員の意識とは無関係に乗員を保護するものだった。
- 1963年に日本の小堀保三郎氏が作動装置、高圧容器、弾性保護服から構成されるエアバッグシステムを試作。世界各国から注目され、国内外の特許を取得。
- 1966年に日本自動車工業会が中心となりエアバッグシステムの研究が進められる。
- 1969年に公開実験されたが、爆発音が大きく、耳への悪影響とシステムの信頼性に問題があった。
- 1967年にアメリカのイートン社が衝突時の救命装置としてエアバッグシステムを発表。まだこの段階では市場に導入できるレベルに達しておらず、信頼性、量産化に応えられるものではなかった。
- 1969年にNHTSA(米国道路交通案全局)が全車にエアバッグを装備する法規を提案。
- 1971年にクライスラー社などが法規案を非難し、訴訟を起こす。
- 1970年にアメリカ運輸省(DOT)がESV(実験用安全車)プログラムを提案。アメリカ国内メーカーはもちろん、そして日本からも日産をはじめトヨタ、ホンダの3社が参加。SRSエアバッグシステムの本格的な開発を開始。
- 1972年にフォード社がエアバッグシステムのフリートテストを実施(831台)。また1973年にGMが続いてエアバッグシステムのフリートテストを実施(1000台)。
- フリートテストとはお客様にSRSエアバッグシステムを取り付けてもらい、そのお客様をフォローすることで、SRSエアバッグシステムに関するデータを集めるモニターテスト。
- 1974年からGMはビュイックなどのフルサイズカーにオプションとしてSRSエアバッグを搭載し、市販を開始。年間8000台生産。
- GMの生産は1976年まで続く。その間衝突事故以外にSRSエアバッグシステムが作動した例が60件ほどあり、1977年に販売を中止。
- 1980年にドイツのボッシュ社がSRSエアバッグシステムを商品化し販売。
- 1981年にベンツ社が世界に先駆け運転席SRSエアバッグシステムを採用。フリートではなく一般のお客様向けに販売。
- 1987年にベンツ社が助手席用のSRSエアバッグシステムを発表。
- 1995年にボルボ社がSRSサイドエアバッグシステム(SIPS)を発表。
日産のSRSエアバッグの主な歴史